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お酒は飲み方次第で毒にも薬にも!上手なお酒との付き合い方

2021.07.04

お酒は百薬の長

「酒は百薬の長」と言われるように、飲み方次第で薬にもなります。ここで大切なのが、お酒の飲み方。適量のお酒は、ストレス発散効果やリラックス効果があります。また、嬉しいことに、悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化予防にも効果があるといわれているのです。反対に飲みすぎると記憶力や判断力を鈍らせ、長期にわたる大量の飲酒は、高血圧などの生活習慣病を引き起こし、さまざまな病気の原因になります。

お酒の適量とは

上手にお酒と付き合うために適量を守ることが重要になります。

では、一日に摂取するお酒の適量を見ていきましょう。

  • ビール…中ビン1本
  • ワイン…ワイングラス2杯
  • 日本酒…1合
  • 焼酎…0.5合
  • ウィスキー…シングルの水割り2杯

 ビールなら中ビンといえば500mlで、缶ビールでいえばロング缶になります。夏場などはついつい2本、3本と進んでしまいますが、そこをぐっと我慢することが必要です。とはいっても、なかなか難しいのがお付き合いの席です。

お酒のお供に水を

 適量で済めば良いですが、お付き合いで、適量以上に飲まなければならないときもあります。時には、週に2回3回とある場合も。そんな時もちょっとしたポイントを押さえながらお酒を楽しむことで、毒にならずに済む方法を教えます。

 まず、だいたいお酒1杯につき1杯の水を飲むことを心がけてください。アルコールは利尿作用があり脱水症状の原因にもなります。そして、アルコールを体外に排出させるためにもお酒と一緒に同量のお水を飲みましょう。

 飲み方のコツは、アルコールを飲み終わってからイッキに水を飲むのではなく、アルコールを飲んでいる合間に少しずつ飲むようにすることです。アルコールを一口飲んだら、水を一口飲むというように考えてください。

タンパク質とビタミンをおつまみに

 水以外にも、もうひとつ気をつけてもらいたいのがおつまみです。アルコールを分解するアルコールデヒドロナーゼという酵素はタンパク質でできています。そのため、この酵素を作るためにタンパク質摂取が欠かせません。また、アルコールを代謝させるには大量のビタミンが消費されます。特にアセドアルデヒドを代謝するのがビタミンB1です。タンパク質とビタミンB1が含まれるおつまみとともにお酒を愉しむと、アルコールの分解・代謝を助けることになります。

 そこでタンパク質とビタミンB1が豊富なおすすめのおつまみをいくつかご紹介します。

  • 枝豆・冷奴や豆腐鍋などの豆類
  • 豚肉やレバー
  • たまご焼き

 また、焼き鳥もタンパク質が摂れるのでおすすめのおつまみです。しかし、選ぶ部位によっては脂質が多くなりますので下記を参考に選んでください。

おすすめの部位

  • ささみ
  • むね肉
  • 軟骨
  • 砂ぎも
  • レバー

注意が必要な部位

  • 豚バラ
  • 鶏皮
  • 野菜巻(豚バラで巻いている為)

 ここで気をつけたいのが、おつまみの摂り過ぎです。特にビールは食欲を増進させますので、ついつい食べすぎてしまう人も多いようです。こんな時は、タンパク質の他にサラダやもろきゅうなどの野菜を中心にカロリーの低いおつまみを選ぶようにしましょう。

健康な飲酒のためのポイント

上手にアルコールを飲んで健康を保つためには、いつくかルールを設けることです。

  • 週に2日は休肝日を設ける
  • 強いお酒は割って飲む
  • 食事をしながらゆっくり飲む

 週に2日の休肝日とは、肝臓を休めるということになります。ビール中ビンを2本、焼酎なら1.2合を肝臓が分解するのに、個人差はありますが6時間から7時間かかるといわれています。また、休肝日を設けることで、アルコールの総量をコントロールすることにつながります。ぜひ週に2日の休肝日を実践していただきたいです。

 次に、強いアルコールをストレートで飲まないことです。食道がんや胃がんとアルコールは密接に関係しています。アルコール度数の高いお酒を飲むと、ツーンと喉や胃に刺激があるのがたまらないという方もいると思いますが、この飲み方が食道がんや胃がんを招く原因のひとつといわれています。アルコールの飲み方で予防できるのであれば、やらない選択肢はないですよね。アルコール度数の高いウィスキーやウォッカなどは必ず割って飲みましょう。

 そして、食事をしながらゆっくりとお酒を楽しむことです。おつまみにはタンパク質やビタミンB1がおすすめですとお話しましたが、こうしたおつまみを摂りながらお酒を飲むことは、お酒の量を減らすとともに急速なアルコールの吸収を抑えるため悪酔いを防げます。

二日酔いにおすすめの朝食

 いろいろ気を配りお酒を嗜んだつもりなのに…二日酔いになんてこともありますよね。または、体調によってどうもお酒が残っているなんてこともあるのではないでしょうか。そんな時の朝食にとても良いメニューがあります。でも、まず朝起きたらすぐに水分補給を行いましょう。アルコールの利尿作用によってカラダは脱水症状になっており、それが二日酔いの原因かもしれません。スポーツドリンクで水分補給するのも良いですね。

 では、二日酔いにおすすめの朝食ですが、しじみの味噌汁に目玉焼き。しじみにはオルニチンといって肝臓の働きを助けてくれる成分が含まれており、卵にはアルコール分解を助けるLシステインという成分が含まれています。

 いかがでしたでしょうか?美味しく健康に、上手にお酒と付き合っていきたいものですね。

管理栄養士 辻恵子